当社のモノづくりの特徴は,「キャプトデイティブ(captodative: cd)置換」の概念に基づく,持続成長可能な環境に優しい製品・試薬づくりである。乳酸,アミノ酸,ピルビン酸など再生可能な生物由来物質を主原料に,モノマー,架橋剤,開始剤などの試薬を開発しています。

キャプトデイティブ置換とは,capto(電子受容性)基とdative(電子供与性)基を同一原子上に同時に置換したもので,そのような化合物は強い求ラジカル性を示すようになる。アミノ酸は代表的なcd化合物で,その他,インジゴの生成,あるいはビタミン C がアルコールにもかかわらず抗酸化作用を示すのもcd置換の結果である。この概念は1978年頃 H. G. Viehe (Universite Catholique de Louvain, Belgium) によって提唱され,1981年に初めて私どもが高分子科学の分野に導入しました。その結果,従来の重合反応高分子材料設計の概念が大きく変わり様々な高性能・高機能材料が誕生しました。なお,この取組みは術的にも高く評価されています(IUPAC P. Prize,  in Macro 2006, 受賞率0.3%)。


持続成長可能な合成プロセス

グリーン(Green)

サスティナブル(Sustainable)

ケミストリー(Chemistry)

ポリマーの性能,機能を飛躍的に向上させる新しい技術の開発

従来のモノマーは,MMAに代表される電子受容性モノマー群とスチレンに代表される電子供与性モノマー群の2種に大別されてきた。

 当研究所では,第三のモノマー群として,両者の特長を共有するCaptodative(cd)モノマー群を新たに提案し,その結果,従来と大きく異なる重合及びポリマー特性を見出した。