*キャプトデイティブ置換とは,capto(電子受容性)基とdative(電子供与性)基を同一原子上に同時に置換したもので,そのような化合物は強い求ラジカル性を示すようになる。アミノ酸は代表的なcd化合物で,その他,インジゴの生成,あるいはビタミン C がアルコールにもかかわらず抗酸化作用を示すのもcd置換の結果である。この概念は1978年頃H. G. Viehe (Universite Catholique de Louvain, Belgium) によって提唱され,1981年に初めて私どもが高分子科学の分野に導入しました。その結果,従来の重合反応,高分子材料設計の概念が大きく変わり,様々な高性能・高機能材料が誕生しました。なお,この取組みは学術的にも高く評価されています(IUPAC P. Prize, in Macro 2006,
受賞率0.3%)。