キャプトデイティブ置換したアクリルモノマーのラジカル重合を任意にコントロールし,高性能・高機能性ポリマーをつくる
キャプトデイティブ(cd)?
captoは電子受容性(captivus)を,dativeは電子供与性(dativus)を意味するラテン語で,ベルギーのVieheによって1978年に提唱されたラジカル安定化効果に関する用語である。
陽イオンは電子供与基で,一方陰イオンは電子受容基で安定化されるのに対し,電子供与基と電子受容基が同時に置換した(cd置換した)原子上の不対電子は非局在化により共鳴安定化する。即ち,cd置換オレフィンは求ラジカル性となる。
身近なcd置換物質
・ビタミンC ( L-アスコルビン酸) は,酸化で準安定なcd置換ラジカルとなるために抗酸化作用を示すようになる。
・タデ科の藍に含まれ,ジーパン等の染料となるインジゴは,空気酸化で生成するcdラジカル中間体を経て生成する。
・和食の出汁となる食材には典型的なcd化合物のアミノ酸が多く含まれている。
・トウモロコシ,イモ類は発酵によってcd化合物である乳酸を生成する。
cd置換効果(総論)
cd置換された開始剤,メタン型及びビニリデン型モノマー,連鎖移動剤など様々な重合試薬が合成されている。
特徴の一つは,これまで重合不可能とされてきた嵩高いモノマーでもcd置換することによって可能となることである。その結果,全く新しいタイプのポリマーが出現することとなった。
cd置換効果(モノマー)
左図は,これまでラジカル単独重合が通常の条件下では困難とされてきたものが,cd置換によって重合可能となった例である。立体障害によって天井温度Tc (重合しなくなる上限温度) が低くなることが重合性低下の要因の一つであったが,cd置換体はこの範疇に入らない。ラジカル重合の通説「かさ高いモノマー、あるいは安定ラジカルを生成するモノマーは単独重合性に乏しい」に対するアンチテーゼを実証する,真に従来の概念を大きく変える結果である。
cd置換効果(ポリマー)
cd置換モノマーは,通常の簡便なラジカル重合装置により,高収率でポリマーを生成する。共重合性もcd安定化効果のため非常に高い。得られるポリマーは,高極性,高密度,非対称,二官能性のため,様々な優れた特性を示すようになる。
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